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Profile

村山康文
フォトジャーナリスト
1968年兵庫県生まれ。主にベトナムの社会問題をカメラとペンで追いかけ、弱者を守る立場からエイズ・戦争・人権・差別などをテーマに各地で写真展や講演会を開いている。
京都在住。

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村山康文写真交流クラブ

ベトナム・スタディーツアー
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今夏(2010年8月~9月)開催予定の第21回ベトナム・スタディーツアーの募集をはじめました。
詳しくはHPをご覧下さい。



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悲しいお知らせ
夕方無事にベトナムに着いた。
早速あちらこちらに挨拶をして回っていると、友人の売春婦に久しぶりに会った。

今年26歳になる(自称)彼女と路上でビールを飲みながら話をした。

するといくつか彼女から悲しい話を聞いた。


なんとそれは、3ヶ月前に2人目の子どもを堕胎させたと言うこと。
以前、付き合っていたオーストラリア人の学校の先生の子ども。
一人目を数年前に下ろし、半年前「もう絶対に彼には会わない」と彼女は言っていた。

それが、2人目の子どもも同じ男の子どもだった。

彼女は、普段売春婦をしているが、そのオーストラリア人を愛していたのだ。

その話を聞いたとき、僕は彼女の一途な思いを食っているオーストラリア人の男に対し、怒りがこみ上げてきた。
無性に悲しくなった。


そして、なんと彼女は今また、一人の子どもを身ごもっている。
その子どもの相手はわからない。

「オーストラリア人かもしれないし、イギリス人かもしれない。韓国人かもしれないし、日本人かもしれない・・・」
淡々と彼女は話した。
「何ヶ月になるの?」
「多分2ヶ月に入ったと思う」
「産むの?」
いささかひどい聞き方だと思ったが、彼女は遠くを見つめてさらっと言った。
「もう殺したくない」
「相手がわからないんだろう?」
「でも私の子どもに違いない」
「じゃあもう今は売春はしてないんだね」
彼女は僕の目を見つめて言った。
「してるよ」
「駄目だろう。2ヶ月じゃ子どもが危ないよ」
僕は彼女を叱った。
「わかってる・・・。でもこの仕事をしないと生活ができないのよ」
僕は彼女から目をそらし、首を横に振った。


久しぶりのベトナムの街はどんどんと綺麗になり、たくさんの外国人観光客があとを絶たない。

しかし、その影でやはり今も取り残された人々がいる。

スラムで生まれ、学校に行けなかった彼女。
麻薬患者の弟のため、病気がちな親のため、妹には学校へ行かせてやりたいという姉の想い。
やさしすぎる彼女。

僕はやはりこの現実を伝えなくてはならない。

今回、いきなりのアッパーパンチの出迎えに、ふつふつとした僕の心はえぐられた。

(2006年08月12日 村山康文mixi日記)
by yasumu43jp | 2008-05-02 07:35 | 過去記事
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